青空と風と光と・・・/未有花
青空と風と光と・・・
さうして夏はやつて来た
麗しき少年の日々よ
君の白いうなじを光らせ
駆けて行く あの鬱蒼とした森へと
君の涼やかな瞳が笑ふ時
・・・それは光に似てゐた
君の白い素足が駆ける時
・・・それは風に似てゐた
そして 君の心はいつも青空だつた
青空と風と光と・・・
ああ 懐かしき友よ
君はまだ恋といふものを知らなかつた
ただ風に戯れ 雲を追ひ
自然に耳傾けることが君のすべてだつた
あの日少年のまま逝つてしまつた君は
未だ鬱蒼とした夏に眠つてゐる
君を哀しませることが私のすべてだつた
恐れを知らないあの無類の魂を
懐かしき友よ
少年の日々はあまりに短く
そしてせつなく悲しく私を責める
幾度かの夏が来る度思ひ出す
私は君の笑顔が好きだつた
青空と風と光と・・・
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