明日を生き抜くための魔法/ぽえむ君
 

その魔法は}

次のページを開けようとすると
コホンという人の声
店の主の老人が指を出し
その先には
「立ち読みお断り」

肝心なところを読めずに
店を立ち去った

気になりながらも家に戻り
体力の疲れなのか
いつしかまどろむ

昼になり
昨日の古本屋で
今度はあの本を買おうと思い
その道に向かったけれど
探せど探せど
その店は見つからない

今でも時折り
その店を
いや
その魔法を探している

もしかしたら
こうやって探すことが
もうその魔力に
かかっているのかもしれない
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