[ 秋の長夜の ]/渕崎。
 
秋の長夜の晩は、
てのひらサイズの文庫を片手に、
白熱電灯の下、鈴虫達の求婚歌をBGMに
一文字一文字刻み込まれた作者の言葉を読み解きませう。

秋の長夜の晩は、
少しばかりの退屈を御供に、
小さな豆電球の下、ベッドにころりと転がって、
つらりつらつらとりとめもない思考の海に身を委ねませう。

秋風は少しばかりの冬の気配を引き連れて、
紅葉・楓を赤色に、
銀杏並木は金色に、
ゆっくり染めていきますから、
わたしものんびりと冬の支度を調えませう。
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