これは詩ではない。/佐々宝砂
 
ちがいますのよ。

なので、あたし行くことにしたのよ、真っ白なウソも真っ赤なウソもまとめてレンジでチンして朝食に添えよう、朝のコーヒーカップは昨日のコーヒー滓に薄汚れている、だけどあたしはけらけらと笑いながらテーブルの上のハンプティ・ダンプティにおはようを言う、自瀆の手はどろどろに汚れているけど、それがなにかしら、そうよ、あたしは、自家撞着の、自瀆の、荒野の女詩人。


自瀆の「瀆」が潰れて、あるいは表示されなくて、読めないかもしれません。
サンズイに賣、略字体では「涜」です。
(2000)


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