ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
 
には、その印象が私に行動することを決心させるようなことはないであろう。しかし、たいていの場合は、その印象は、池の水のなかに落ちる石のように私の意識全体を揺り動かすのではなく、その代わりにその意識の表面で言わば凝固した観念、つまりこれから起きていつもの仕事にとりかかろうという観念を動かすだけにとどまる。
            (同)


ひとは日常生活では、ピン止めされたようなイメージ、固定観念にしたがって行動します。なぜならそのほうが効率がいいからです。
たとえばコップを見るたびに次のような意識がわきあがってきたら、永遠に水を飲むことができなくなってしまいます。

{引用=

[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(8)