fractal/あやさめ
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とある街道を、二人の男が歩いている。
それぞれ手には何らかの本を抱えて、それを読みながら歩いているようだ。
周りには特に人気もなく、彼らの声だけが響いてる。
そのうち、彼らは本を読みながら議論を始めたのか、二人の話し声はだんだん大きくなってくる。
<2>
「……のようなわけで、彼らが夕闇の中で祭りを始めたのにもかかわらず、書き出しがこのようにおとなしいわけだ。」
「全ては行数を無駄に費やすための行為ってわけだな。」
「そう、だからこの行については本では次のような結論を出している。」
彼は目を落として本の該当する部分を読み
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