赤道直下で感光される九月/プテラノドン
 
赤道直下の交差点を往来する、プラスとマイナス。
鉢合わせとなった影像から、流血沙汰の騒ぎへ。
切断面から溢れる磁力を嗅ぎ付け現れたのは、
若い詩人のセーラー。交差点の真ん中で、
―バッバッバッ!真っ赤な旗へ 吸い寄せられる
木っ端微塵になった電波。ざわめき立つ凶暴な
ブヨの群れのように、手で振り払おうものなら
たちまち指先は食いちぎられてしまう。言葉に。
そして、砂鉄のように純粋な成分でありながら
まもなく、赤銅色の腐敗がはじまるのだが
スピリッツの部分は幾何学的な雪の紋章として、
感光した九月の光の中でそれは、勲章と相成って
彼の胸元へ飾られるのだ。
戻る   Point(2)