後悔のない道/山崎 風雅
 
 
 鈴虫鳴くは秋の風情 

 戸惑いのなかで耳澄ます
 
 慣れつつあるも不甲斐ない

 一人の時間に埋没し

 ときめくことなどないけれど

 嵐のような 日々は過ぎ

 こぼれる笑顔(えみ)よ我に咲け

 ほとばしるのは 胸の内

 誰にも話せぬ 過去をもつ

 定まらないのは なにゆえか

 遠くを見る目は 細まりて

 足もとの石に つまずくも

 孤独を破る ベルがなり

 ひとときの光 僕を射す

 今生いずれは 果てるとも

 後悔のない 道進もう




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