独りぽっちで咲く花あれども/きりえしふみ
 
麗な衣装は 大地がごっそり
しまい込んだ後でした

わたしは切ない気になりました
(だって そうです わたしは故郷を無くしてしまったのです!)

けれども地下より 仲間は言います

 「独りぽっちで 咲いてごらん 怖がらずに
 君が咲いたら 誰かがつられて
 君に似た 君とはまた違う
 華やかな衣を 広げるだろう
 一人から二人へ 二人から四人へ
 そうして 咲く花の
 その血筋、絶える事なく
 野辺を粧い 丘を登って
 大きなあの 椎の足元、樫の爪先
 美しく飾り 何処までも花の香(か)は
 薫っていくだろう」

©shifumi_kirye 2006/09/15

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