天使の救い/ajisai
 
れない病院生活に戸惑いもあったが

会社とは完全に縁を切ることができ

両親は心配して毎日の様に見舞いに来てくれた

私は徐々に気力を取り戻していき

自傷衝動にも駆られることはなくなった

私は生きていいんだ

ここに存在していていいんだ

ようやくそう思えるようになった



毎夜月を眺めた

天使がこちらを見ているような気がして

「ありがとう、だいぶ元気になったよ」

私は水晶を握りしめそう呟く

退院にはまだまだ時間がかかりそうだけど

私を救ってくれた天使

私はいつも感謝しています

「ありがとう、生きることの素晴らしさを教えてくれて」

この想いが天使に届きますように。



天使はいつも空から彼女の病室を見つめていた

「早く元気になりますように」

この想いが彼女に届きますように

そう願っていた


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