午前五時の窓辺/狩心
 
        脳挫傷 さらには 脊髄を大幅に損傷しており
               「立ち上がれ!同志たちよ!」の声も出ない赤子
               体も動かせず 目を開ける事も出来ず
               言葉を覚える事もなく 意味の世界を知らない・・・・・・
               眠ったまま 
    水と太陽のエネルギー 細胞分裂を繰り返す不定形なアメーバ
それは、何の根拠もなく「生きたい」と願う長男の悲痛な叫びと温かい なみ だ;
    手を握りしめる力はどんな思想家よりも強く
    何よりも「実感」に触れていたいと願う 宇宙の「かけら」だ

思想/死相
亡くした親に似た姿を持ち、優しい素振りで私たちの中に入り込んでくる・・・・・・
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