届けられた花束/
霜天
ある日
届けられた花束は
染められる白だった
昨日見た夢のように
塗ってみようと
絵筆を手にとるけど
色が出てこない
思い出すこともできないまま
走っていたんじゃ
いつか転んでしまうでしょう
せめて
いつも掌でつかんでいるものくらい
答えられるようにならなくちゃ
届けられた白い花束
水の中に仕舞い込む
絵筆に色がつくまでは
枯れないように 枯れないように
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