時には野辺に抱かれて/きりえしふみ
 
自由になれない
木々のようには 伸びが出来ない

 だから 時々は思い切り躓いて
 大地に突っ伏したい 叱られたい
 緑の絨毯に 易々と
 自分のちっぽけさを 知らしめられたい

そうして
ちっぽけな花に くすっと笑われてみたい
散り行く花びらに うふふと 笑われたい

そうしないと 僕らは自分にも
春が来る事さえ 忘れてしまいそう
蕾のままで しょんぼり 枯れてしまいそうだもの

©shifumi_kirye 2006/09/14

戻る   Point(9)