誉められるものじゃなくても/
ピッピ
ンパチンとたどたどしい音を立てれば蚊の血が花火
花壷の蜜、水芭蕉の香り、空、あの人はこんなにも風景の一部で
『実験室2で』と書かれた黒板の(誰か見ている)前でやりたい
河に比喩されるものでも吾(わたし)の内(なか)の海につながるものはわずかだ
「真夜中の二人乗りって危ないね」ってアヤコ(17・処女)が笑って
「今だってここにいるよ」と叫んでも届いていない 霊だから
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