眠る/tibet
少し体に纏って
月夜の美しい夜には
この街からずうっと歩いていけば
それも多分うしろから
フワフワしながらでも
ついて来られるから
こっちは
チラリチラリと
気にしてやりながら
風が来たら
飛び乗ってやって
それであの子は
多分
サアッとなって
ついにはフワッとなって
より一層透明だけれど
もっともっと強く光って
こっちは
その光に追いつかれないように
風を少し急がせて
多分ループを描けば大丈夫だから
そのようにして
きっとその頃には
あの透明は
見えないようになっていて
でもきっと
体のどこか
ちょっと温かくなって
それが分からなくても
そうなっているはずだから
そうすれば
そのまま
空から降りて
歩いたり
少し飛んだりしながら
帰ってきて
やわらかい
あたたかい
白い
白だけの
ベッドに入って
その日の夜は
火は消さないで良いですから
朝の良い香りで
また目覚めましょう
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