夏の日/山本 聖
 
あなたはときどきわたしにいじわるする
わたしもしかえしに、あなたにいじわるしてあげる

つぶさに
そうやって自分が独りではないとたしかめているのだ
つぶさに
地を這うとかげのしたたかさを真似てみているのだ

いじめっこもいじめられっこも
独りの帰路
夕焼けの足元に伸び上がる自分の影を追い続けては
えーんえーん、と
おおきな声に出して泣いてみる
夏の日

戻る   Point(1)