まどろみの午後/山崎 風雅
とにかく眠たかった
窓の外には雨音が聞こえていた
眠るでもなく起きるでもなく
浅い眠りの中で見る夢は
悪夢ばかりで弟が僕の首をしめていた
季節の綱渡りを続けるこの頃
アラームの鳴る音では起きられない
ひたすらむさぼる睡眠の誘惑
カレーの香りがするなかで
ガンジス川で沐浴する夢の破片
いろんな街を見てきて歩いた
これからもまだ見ぬ風景が待っている
自分の罪で失った故郷
後戻りはできない
前に進むだけ
そろそろ起きよう
まどろみの午後と憂鬱な雨空
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