旅立つ前/AKiHiCo
 
昨日と明日の間を繰り返す日々に
少し嫌気が差してしまっただけ
カーテンを閉め切ったままで
ベットに仰向けに寝転がる
浮かんでは消えてゆく影
僕はいつまで逃げるの

新しい道を選んだ僕は床に置き去られた夢
剣を振り翳して靴を履き鳴らし
向かい風を見方につけて見えない翼を拡げよう
誰も僕を知らない世界へ行ってもどこへ行っても
僕は僕のままで他の人にはなれないのなら
せめて昔の僕をここに置いて行かせて

部屋の隅で震えている心に誰か気付いて
そっと微笑んで優しく頭を撫でて
大丈夫だと言って――

本当はとても弱くて脆いのに
強がって笑顔で振舞って独りで涙を流す
こんな僕なんか大嫌い
せめて最後は最後だけでも
素直に鏡の中の自分と向き合えたなら
きっと何かが変わる気がする

本当はまだ怖いけれど振り向かずに
こんな僕でも変われるのだと証明したくて
席を立って重い扉を開ける



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