ディープな朝/mac
 
空が白んできた
ビルの形が少ーしずつ現われてきた

蔦の這う壁がひんやりとして
気持ちいい

酒で漬かった脳が一瞬シーンと冷めて
さっきまでの話とか浮かんでくる

酒の上の話だから
深呼吸して吐き出した酒臭い二酸化炭素と共に
忘れてあげるから

キミは安心して笑顔で今日も
生活してください

本当に忘れてしまう事は
出来そうに無いけど
誰の前でも知らんぷりを
死ぬまで続ければいいでしょう?

キミが泣いてなんとなく僕も泣いて

店員に訝しげられながら
カシスのなんだかよくわからないカクテル飲みほして
氷をからから鳴らしながら

不思議だね
不思議だね

朝まで飲んでたのに
いつだって、もう朝なんだ

二人して深呼吸

新聞配達のおじさんが
そんな僕らの後ろを通り過ぎる

何も変わらない朝なのに
何も変わらない場所なのに

もう朝だね
朝を待ちわびた、そんな日もあったけれど

今日は少し悔しいよ
キミがいつもの笑顔に戻っていくのが



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