火照り/
山崎 風雅
激しい夏の日々は遠ざかり今は秋
太陽は街を焦がし山を焦がし海を焦がした
熱は放射され僕達にも注がれた
まだ肌が小麦色に残る腕や背
夏の思い出そのあやふやさ
祭りのように胸が騒いだけど
少し淋しい季節が訪れる
体に残る疲れはほどかれて
涼しげな風がこの髪を弄ぶ
色の移ろいを感じさせる木々
安らかに瞳の中に風が吹く
忘れ物はたくさんした気がする
それも許されているような気になるのは
秋ゆえの優しさだろうか
夏が僕に残した火照り(ほてり)
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