She's me nigh/オオカミ
 
深く息をすると背骨が軋んだ
にぶい はれつおんと
ちいさくなってゆく きみの よどみに
胎動



おかあさんは、
酸化してゆく真っ白なおでこに
くちづけ したでしょうか
ねぇ



指は、生えていましたので
私はそれらを動かしました
踵は、土を踏んでいましたので
私はそれらを愛しました
瞳は、よく出来ていましたので
私はそれらを育みました
唇は、通気が大変よろしかったので
私はそれを 繋いだのです


うちなるしるべに手を伸ばす
見れば、明け方のさざ波のうえにたつ
ちいさな小船のようだった


しゃりん 、というなにかの音に耳をすませば
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