She's me nigh/オオカミ
深く息をすると背骨が軋んだ
にぶい はれつおんと
ちいさくなってゆく きみの よどみに
胎動
おかあさんは、
酸化してゆく真っ白なおでこに
くちづけ したでしょうか
ねぇ
指は、生えていましたので
私はそれらを動かしました
踵は、土を踏んでいましたので
私はそれらを愛しました
瞳は、よく出来ていましたので
私はそれらを育みました
唇は、通気が大変よろしかったので
私はそれを 繋いだのです
うちなるしるべに手を伸ばす
見れば、明け方のさざ波のうえにたつ
ちいさな小船のようだった
しゃりん 、というなにかの音に耳をすませば
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)