【 母が残した私の証 】/豊嶋祐匠
私の左肩に
今も残る
大きなケロイド
まるで
ユーラシア大陸の
地図のようで
サッカー
日本代表の
昔のユニフォームのような
そんな炎のような
大きなこのケロイド
母と私は
慌て者で似た者同士
そして
私のケロイドは
100度の熱湯を使った
母と私の合作です
確かに熱くて
辛い思いもありました
友のイジメの
エサにもなりました
人の恐さも
汚さも知りました
コンプレックスを
容易く得られる
コンプレッサーでもありました
便利
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