自分という列車に乗って/ぽえむ君
この世に生まれたときから
自分という列車が動き出す
時間というレールの上を
一秒ごとに走り続ける
過去は思い出
振り返ることはできても
戻ることは許されない
未来は追いつけない
望むことはできても
現在を飛ばすことはできない
列車の小さな窓から見えるのが現在
時に悲しみの駅
時に喜びの駅
いくつもの停車駅に停まっただろう
降りてその町を散歩したり
住んでいる人の温もりを感じたろう
激しく雨が降り続く日も
冷たい吹雪の風が吹き荒れる日も
さわやかな風が流れる日も
列車は走り続ける
列車は悲しみの駅に
ずっと停車はしていない
必ず次の駅に向かって走ってゆく
戻る 編 削 Point(8)