梅干の詩/atsuchan69
山の斜面は蜜柑の木
ミカン/みかんは紀州の木
それでも南部(みなべ)の梅の木は
摘んだ青梅
過ぎた空
紫蘇に染まった梅の実の
ひろげて干した縁側に
通りすぎてく潮の風
山の斜面は蜜柑の木
ミカン/みかんは紀州の木
それでも南部の梅の木は
酸っぱい陽射し
沁みこんだ
紫蘇に染まった梅の実の
まっかに赤い一つぶは
コメの白さを飾る色
山の斜面は蜜柑の木
ミカン/みかんは紀州の木
それでも南部の梅の木は
辛い想い出
幾たびも
紫蘇に染まった梅の実の
いつまた逢えるお母ちゃん
秘めた一つぶ郷の秋
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