今夜、輝くものは遠く/たりぽん(大理 奔)
輝くものはいつも
はるか遠くに置かれる
届かないとわかっていても
暗闇の中で
求めてしまう
温もりのない光とわかっていても
そこで燃えているものを知っている
そして永遠を誓ったりするのだ
僕たちは
いくつかの空のにじみを結んで
物語を口ずさんだりもするけど
始まりも終わりもないから
それを永遠と誤解してしまう
炭素のように不滅で
アルゴンのようにまぶしく
どれもが現象だと
さめた学者のように呟いても
そこで燃えているものを知っている
だからせめて
せめて、今日、この夜だけは
永遠を誓うのではなく
約束を永遠にしようじゃないか
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