長く、気が狂うような一日/逢坂桜
朝、いつもの時間に家を出る。
母さんの作ってくれたお弁当と、いれてくれた水筒。
いつもの電車で、持っていた文庫本を読む。
会社について、制服に着替える。
たかだか30分だけのために。
事務所に入り、コンピュータを起動。
さりげなく紙袋を持って給湯室へ。
眼をつけていた包丁を出して、タオルでくるみ、紙袋へ。
それをリュックに入れる。
朝一に必要な仕事を3つだけこなして、
上司に「急用でいまから帰る」と伝える。
更衣室で着替えて、シャーペンとボールペンとメモ帳をかばんに。
自転車で私鉄へ、通勤・通学の電車に乗る。
車中でメモ帳に書く。
終点からJRの駅へ
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