保養湖/杉菜 晃
 



みづうみは傷ついた渡り鳥の
保養所
三日も水に浮かんでゐれば
癒しは全身に及び


いざ 
出立の羽搏き
あがる飛沫の半ばは
鳥の離別のかなしみ


みづうみは
永久に帰らぬ保養湖として
奥深く
沈めていく


鳥のみづうみは
夜の旅にも月より明るい






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