夏の思い出/
れるむ
鼻先をかすめた寂しげな風が
街の色を変えてゆく
音を消してゆく
それなのに
黒のタンクトップなんて着てる
それなのに
ビーチサンダルなんて履いてる
皆は気付かない振りしてるけど
皆はしっかり長袖だったりするけど
夏の思い出を持て余してる僕は
そのまま歩き続けた
寂しげな風が頬をなでる
長袖のシャツを買おうか
南の島へ行こうか
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