かだんのおしろ/容子
 


だえきをたくさん
ふくませた
かだんのなかの
ちゃいろいつちの
ずっとずっと
おくふかく
ねむったままのひめひとり
ずっとずっと
めをとじる
ねむったままのひめがいる
ひめさま
ずっとまっている
いとしいおうじのくちづけを
だえきをたくさん
はきすてた
かだんのなかの
ちゃいろいつちの
ずっとずっと
おくふかく
ねむったままのひめはまつ
ずっとずっと
ただひとり
ねむったままのひめはまつ
いとしいおうじのくちびるを
だえきをたくさん
はきすてて
おうじはひめへ
だえきをおくる
さけよさけよ
とうたわんばかり
おうじはひめへ
だえきをおくる
ずっとずっと
おくふかく
つちのしたから
めざめたひめが
かれいにさいてあらわれて
おうじとふたたびあうひまで
ずっとずっと
おくふかく
ずっとずっと
たえまなく
おうじはひめへ
だえきをおくる
かだんのなかの
ちゃいろいつちへ










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