*七夕七景* 〜夏じまい〜/
かおる
たなばた たんざく たちつてと
秋の空と乙女の心は七変化
夏じまいに
怠惰で熱っぽい光を
燦々と振りまきながら
ねっとりとした風が
がらんどうの原っぱを吹き渡っていく
夏休み最後の日を嘆くように
ハラハラと早熟な葉っぱを
火傷しそうなアスフルトに零す
そんな夜にも
ベガもアルタイルもデネブも
ポンとひらいた桔梗のように
可憐に瞬いているはず
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