雲の鳥 /
服部 剛
旅の終わりの夕暮れに
車窓の外を眺めたら
名も無き山を横切って
雲の鳥が飛んでいた
黄金(こがね)色に縁取(ふちど)られた翼を広げ
長い尾を反らし
心臓の辺りの薄い雲間に覗く夕陽から
夕空に
幾すじも放射される琥珀(こはく)の光
翼を広げた雲の鳥は
全ての山を越えて飛んで来る
日常へと戻る列車に乗り
瞳を閉じて眠りに落ちた
旅人の夢の中へ
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