救世主/山崎 風雅
 
 朝起きると天使が僕の顔を覗きこんでいた
 
 「あなたはイエス・キリストの生まれかわりです」

 そんなバカな
 僕は煩悩のかたまり
 罪もたくさん犯してきた

 「そんなわけないでしょう?」

 「いえ、あなたは世界を救わなければなりません」
 「がんばってください」

 がんばるもくそも僕はただの凡人だ
 どうすりゃいいんだ
 見当違いにもほどがある
 でも天使のまなざしは本気だ
 しかたないから

 「がんばります…」

 と答えてしまった

 天使は安心したように天に昇って行った
 なにか知らないけどがんばるしかない

 はて 何をがんばればよいのやら…



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