ひかりの雫(十六)/信天翁
 
     草いきれの匂いにまみれる赤い季節
         脳血管が強制的に拡張され
      夏負けは夏バテへと追い込まれる
    孤独なプロムナードも焼きついたまま 
          蟻のサバイバルを容認し
路肩のつぶては 此の岸のざわめきを噛み砕き
  並木の小枝は 彼の岸のささやきを奏でる
               あゝ そして
ひかりの雫に曝されたベンチには刻まれている
       猫背に貼りついたカルマのかげ 
                    が





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