名付け/霜天
 
だの単語だったのかもしれない
何かの名前だったのかもしれない
想像して
その意味を、思い出せない


僕らが時々抱き合うのは
この世界に限定されるためだった
想像する
君を連れてあの国道を左に折れる
空がある
空だけがある
それは飛べるかもしれない
それは飛べるかもしれないね
そこまで言うと、君は笑顔で、溶ける
何も残らないために
何も残さないために

名前を教えて
名前を付けてあげるから
あの青空は「青の19番」
あの国道は「空道1号線」
呼び合える景色がここにあること
打ち寄せるものが、どこかに届いていく
僕はここで、何も知らないから
君の名前を、想像する


君の声がする
ここに限定された景色を
思い浮かべることが、できる
想像する
僕の
声が降る
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