永遠の純愛/桐嶋 あやめ
君の写真を舐めたりしています
本当は君の唇を舐めたいけれど 君は僕のことを知らないから
壁と天井を埋め尽した君の写真を一枚ずつ愛撫して眠ります
何百枚の写真も一人の立体の君には程遠いです
今日も二十時丁度に五輌目三番目のドアから駅に降り立つ君
駅前のコンビニで昨日と同じチョコレートを買う君
君が二十三時にゴミを出して僕がそれを持って帰って
二十四時に君の部屋の明かりが消えるまで
毎日君の生活は僕が見ていてあげる
僕は美しい君の一瞬の結果に――して眠ります
目が醒めたら君の写真を舐めたりしています
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