私はレールを敷き詰める/千波 一也
 

どこへ続くかなんて知らない

呟きながら
レールを敷き詰める私

そのレールを通るのは
私ではなく
どこかの
誰か


私の役目は
それを眺めて
続きの途絶えを防ぐこと


不思議ね
私、一度も不安になったことが無い

思えば
いつでも余裕な気分で
レールのかたわら

まるで
誰が通るのかを知っているような



明日は見つからない
確かに見つからない
けれどもそれは
手が届かないという意味であって
だからこそ
私の不思議は救われるような気がするの



私はレールを敷き詰める


微笑みの指先
かろやかな
リズムの
面持ち



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