まつすぐ/杉菜 晃
 


山小屋の煙突から
真つ白い煙が

―まつすぐ―

碧空へと
昇つてゐる


何と
多くの下界を
省略しきつて
昇つていくのだらう


枯木に留まつて
これを見てゐた
鳥が
上昇を断念し


塵埃に霞む
更なる下界へと
降下していつた



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