瞑目の底をたどって あなたの曲線を手にする 幾夜を重ねたその痛みの行為に 暗譜されたさざなみ レントよりもなおゆっくりと アップネーメント(次第に静まって) ペダルにきらめく面影 スカートの微かな揺らぎ なだらかな甘い起伏 シーツをうねるしなやかな白 たおやかにかすれる吐息 やさしく潤んだ脈動 そして ひそやかに去っていく足音 ピアノの蓋を閉ざし 私の至福はこんなにも苦しい 幾重もの硝子を封印し 鎮めるものをさらに鎮め 星々の遠さを仰ぐ