結界樹/黒川排除 (oldsoup)
 
少年少女の斜線部 成長のたび減る

針金で縛られた書簡霞に吊るす

コンパスの上半身を他国から見る

栞は砂しかもサハラの貧しい村

魚の形の輪乱すダンスいつか陸へ

火の粉に礼 頭もげるまで

死亡見つめていた駱駝生きるとは失うことだ

胎盤に塵ためて和む対岸の火事

農耕終えて透明な神の手を貸しなさい

靴箱の奥の引き戸が無くなっている

木馬今までありがとう遠ざかる時計店

震える携帯残しなにもかも静かな鐘

地球儀をどけるとそこだけ燃えていた

地図はこどものくに鉛筆の刑で死ぬ

オオオニバスが浮かび上がって江戸時代

抜け道を靴を、と胸中にせりだす森

無径の広場で屋台が雫を売っている

終電に帽子と手袋だけの駅長

高すぎる背丈の記憶 両面低部の淡き竜

桃の解剖どんどん幸せな家庭
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