止/
蒼木りん
うつら うつら
微かに目を覚ますと
全ての人が眠っていて
わたしも
また目を閉じてしまおうと思った
そうしたら
うつらうつらのなか思う
あの人も
あの子も
目を覚まさない
もう目を覚まさない
死とか
滅びという言葉が
過ぎる
現実世界に戻りきらない現実の映像を
必死に捉えて
あの人のもとへ
あの子のもとへ
せめて
そばへ行きたい
ああ
遠すぎる
意識が薄らいでゆく
寝てしまおう
目を閉じてしまおう
わたしはもう疲れた
つかれた
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