或るプロローグ/さいらと
 


とても不確かで
とても不確かなものを


( ふたしかな )


思いは
はあ、と
息をはいて
その隙間に
入り込むのは
不確かな


( ふたしかな )


思いを
消し去って
止む


( やむ )


病む
指先から
そおっと、
ハ短調
溢れる
言葉


( おもいは )


あるいは
嘆いた豊饒
夕闇に頭を垂れ
不確かに笑う


( わらう )



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