天国への調べ/ajisai
の瞳には悲しみが映る
死への誘いは誰にでも訪れる
僕らを慰めるため彼は月の力を持っている
その月色の瞳で僕らを癒してくれる
これからの僕らの魂の行く末の為に
死神は歌を聴きながら涙をいっぱい
溢れさせていた
「ありがとう、ありがとう、ありがとう
僕は一生忘れません
あなたが僕を癒してくれたことを」
涙を手で拭いながら、男に礼を述べた
「僕は歌うことくらいしかできないから
気に入ってくれて嬉しいよ
こちらこそありがとう。僕も忘れないよ
君が僕にしてくれたことを」
再び死神は男と共に月に向かって
高く高く羽ばたいていく
やがて月も大きくなり
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