カブトムシを捕りに/ブルース瀬戸内
この島で一番大きなカブトムシを捕まえる、
が男の子の最近の口癖です。
何がカブトムシ捕りへの情熱をかきたてるのか
よくは分かりませんが
男の子にとってカブトムシを捕まえるということは、
父性や男らしさ獲得のメタファーとなっているのかもしれません。
男の子は大きなアミを用意して、素振りなんかして捕獲に備えます。
そして男の子は
島に一つだけあるクヌギ林に行って大捕物を開始します。
しばらくすると
男の子はアミをぐっと構えました。
目は強烈に希望の色彩を帯びています。
一本のクヌギの木に
カブトムシのカップルがとまっています。
二匹ともかなり大きいです。
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