鎖/月音
 
 ぬるり とした
 裏切りの手触りが
 みぞおちのあたりをえぐるので

 夕方に食べた くりぃむパンを
 仕方なしに
 吐く

 かつえて にべもなく 求めつづけられる程には
 もう わたしは
 「よのなか」に 委ねられぬのだ

 削り 衰えて

 もう
 飲みのめぬのだ
 その ことわりが

 体ばかりを ひらいて

 いつか その 飲み込めぬものに
 飲み込まれる こと

 連鎖とは そのような形


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