コスモス堤防/
蒼木りん
ない昔と
進めないあした
萎んでゆく夏
秋が来るのを
じっと待っている
それより
次の休みまでを数えるような
秋らしい服って
どんなだろう
コスモスみたいな風が吹いてる
子ども時代なんて
振り返らない
そんな
逃げるように
消えた人だっているし
初恋の人の帰り道
コスモスのつづく堤防と
ローカル線の鉄橋と
「あれが安達太良山」
水彩画道具持って
描きに行くのがゆめ
今は叶わないから
戻る
編
削
Point
(3)