アステリスク/吉原 麻
全くの新しさをかかえて とったばかりの免許を財布に入れて 跨る車体
気持ちとは連動していなくて よろめいて 足をつく
きっと見破られたんだ
冷房を直して1週間 一度も使っていない けど風を送る気持ちを持て
さっとスイッチを押されて 生き返る余裕を持て そう
夜になったら出かけるから そう言う彼女が作る昼食 冷たい素麺
葱を刻み終わった手を僕の口に突っ込みながら 唇のかさぶたを舐める 女
ふっと忘れてしまいそうだ
まさか持つと思わなかった感覚 二年ぶりの 奥二重
持つばかりかふりまわされた ただ
個展に出かけ作品をみず 映画館ではポップコーンをたべるだけ
車に乗ってラジオをきき 台所で冷蔵庫をあけてみる
ボウリング場で自分のあだ名をかいてみて ふと
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