荒絵/葉leaf
喉の色をありありと思い出すことができる。
3
西野は休日に恋人の佐藤葉子とデートする約束をした。
約束の日、葉子は待ち合わせ場所で西野を待っていたが、いつまで経っても彼は来ない。5・6回電話をかけたが彼は一度も出なかった。葉子は腹を立てて帰ってしまった。
帰宅した後、西野はその日の出来事を反芻した。久しぶりのデートは本当に楽しかった。昼食での会話や、映画館で隣に座ったときの葉子の気配などを思い返していた。
ふと携帯を見ると、葉子からの着信がデートした時間帯に5・6件はいっていた。デート中葉子は電話を一度もかけなかったから、西野は不思議に思った。西野は葉子に電話をかけてみた。
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