笑顔のままに/ajisai
くなって言葉にならなかった
急に振り向いたかと思うと天使の方に
頭を下げてこういった
「お二人のこと
どうかよろしくお願いします
穏やかに過ごせるように善処願います
私と子供たちからのお願いです」
天使は眩い金髪を揺らしてひざまずき
祈りを捧げた
「このお二方の魂とその子供たちに祝福を
捧げます」
天使が青い淡い光に包まれ
光は昇華していった
「ありがとうございます」
二人は天使と死神に礼を述べると
天使に導かれ、二人は笑顔で
天国の門をくぐっていった
見送る死神の手には母親の温もりが
目には女性の優しい笑みが焼きついていた
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