夕やみ、ということ/かぜきり
えること
タマも星なんだよねと思えること
落ちていく砂時計の砂が実は粒ではないこと
再びもとの位置に戻るようなことは起こしても笑えないということ
ありふれたことが 薄く淡く紅いこと
葉っぱの葉脈が悩ましげなこと
落下するものを眺めていること
膨らんだことがつまらないということ
落下するものから見られているということ
つまびらかな時間が特に敵ではないということ
明日は明日でないということ
沈んだ夕日もひとつだと数えなおすこと
ゆうやみに解けながら
すわれてにじんでいく意識は今も空
ということ
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