文字という星々の/umineko
 
は好きだ。

詩を書いてますよ。そういうと、暗いとか、内向的だとか、そんなふうに形容されることも多い。たしかに書いている瞬間、意識は内方へと向かう。でもそれは、意識を外へと放射するための、ぐっと弓を引きしぼるような、そんな時間でもある。遠くへとことばを放つために、もっと深淵に踏み入らねば、と、私は願う。その作業は孤独の一種だ。鏡のように、ひとりぼっち。

だけど。それは決して悪ではない。どんな喧噪にいても、私には帰る部屋があるということ。だから喧噪も苦ではない。喧噪の隙間の、エアポケットのような静寂がかつては怖かった。いまは、大丈夫。砂風が舞い込んだカタツムリのように、首をすくめてやり過ご
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